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■ ココーララボでどんなことをしているの?

コココーララボでは、荒悠平が書いた戯曲『コココーラ』を上演するまでの間、企画の立ち上がりから上演までの取り組みを考えたり、疑ったりします。

「演劇作品を上演する」ということを言い換えると、「様々な立場・経歴の人が限られた時間の中でともに働きあいながら共同して創作をし発表する」と表現できます。

具体的に記すならば、例えば以下のようなことをしています。

・俳優が戯曲を読む
・俳優が台詞を覚えて、発する
・俳優が身体を動かして他の俳優とともに演じる
・稽古に向けて俳優や演出家が準備をする
・制作、照明といったスタッフが上演に向けて準備する
・演出家が俳優に要望を出す
・俳優が演出家に要望を出す

 

など、など。ここに挙げたのはほんの一例で、挙げればきりがありませんが、様々な立場の人がやり取りをしながら創作をしています。ただ、その膨大なやりとりの中には、明確に言葉にされていないこともたくさんあります。

そのため、すんなり伝わることもあれば、すれ違って困惑することもあります。
小さな違和感を感じることもあれば、とても心地よく感じることもあります。

そうした「言葉にされていないこと」を言葉にしてみると、どうなるだろうか。
 

そこで、コココーララボでは、戯曲『コココーラ』を創作する中で感じたちょっとした違和感や、面白かったこと、無意識にしていたことなどを、その都度あえてちょっとずつ立ち止まって言葉にしながら創作をしてみる、という活動を行っています。

コココーララボ の ラボ は、研究 です。

創作の現場でメンバー全員が創作にまつわるあれこれを試して、疑って、確かめてみるという研究をしています。

そんなラボに大事なのは、「お客さん」の存在です。

創作の現場にいるメンバー同士が感じたことを言葉にし合うことも大事なのですが、その現場を見たお客さんの感じた疑問や感想を投げかけていただくことにより、メンバー同士では出てなかった言葉が新たに出るようになるのです。例えば、

・戯曲のこの台詞、どうして今みたいな言い方をすることにしたんだろう?
・その動きは演出家の指示なんだろうか?
・稽古を観られるのは緊張するのだろうか?
・創作現場の力関係はどうなっているんだろうか?
・このシーンはもっと派手にやってみてほしいなあ。

など、など…。過去3回行ったコココーララボでも、みなさんからのちょっとした感想や疑問を受け、それを丁寧にひとつずつ言葉にしてきました。その中で、メンバー同士では気づいていなかった創作でのふるまいの良い面、良くしたほうがいい面がたくさん見えてきました。

そのやりとりをする時間を、コココーララボでは「おたよりコーナー」と呼んでいます。過去にいただいたおたよりは「おたよりコーナー・アーカイブ」のページ でご覧いただくことができるので、よろしければぜひ読んでみてください。

■ 2020年10月、配信公演について

2020年10月30日、31日に実施したコココーララボvol.3『寄り道』でも、おたよりコーナーの時間を用意しました。

2020年は、残念ながらお客さんと私たちが実際の現場に集まることはできませんでした。が、そのかわりに、全国各地好きな場所から参加することができるZOOMウェビナーを使った配信公演を行いました。

全国各地で演劇の創作に常日頃取り組んでいる方や、創作の現場に興味がある方、いつも関わっている現場と何か違うことがあるのだろうかと思っている方、演劇でなくとも人と一緒になにか取り組むことが気になる方、思いを言葉にすることに興味がある方など、多くの方に見ていただき、言葉を投げかけてもらう場になれば…という思いで実施した配信公演。

言葉にし合いながら改めて気づいたことを、またそれぞれの生活の中に持ち帰ることができたらいいな、と実施したおたよりコーナーでは、映像と演劇の違いについてや、じっくりと時間をかけて作品に取り組むことについてなど、この時だからこその話もたくさん出たのでした。

■ 2023年7月、本公演について

そして、いよいよ!2023年7月21日[金]~29日[土]、コココーララボは『コココーラ』本公演を上演します。5年という時間を経て、初の全編上演です。

コココーララボ『コココーラ』公演詳細

これまでは、公開稽古や試演会、配信公演、おたよりコーナーなど様々な企画を行ってきましたが、今回のコココーララボでは全編上演することに集中して取り組むことにしました。

というのも、全編通して上演をするということ自体、コココーララボでは初めてのこと。いろいろな企画を試しながら実施してきたからこそ、ここで一度「全編上演の本番を行う」ということに集中して取り組んでみると、何か見えてくるものがあるのではないかと考えたのです。

実際取り組んでみて「本番を行うということは、かくも違うのか…!」と思うことがいくつもありました。このあたりのことは公演終了後に別日程で企画しているコココーララボの活動全体振り返り会でまたお話できれば、と思っています。詳細は公演開始頃にはお知らせする予定です。そちらも楽しみにしていただけたら嬉しいです。

とはいえ何もないのもやはり寂しいので、3回アフタートークを行うことにしました。コココーララボのメンバーと、スタッフとのトークです。上演に向けてどんなことを考えて創作をしたのか、普段どんなことを考えながら創作しているのかなどをお話する予定です。

加えて、荒悠平ワークショップ・ソロ作品上演会も行います。これは、俳優やダンサーが「これは自分の作品だ」と呼べるソロ作品をつくるワークショップを経て完成した作品の上演会です。こちらもぜひご覧いただけましたら。

…と、結局、いつものようにもりだくさんの内容になっている気もしますが、昼間の公園で話をしている中年の男女のおはなし『コココーラ』をぜひ観に来てください。なんにも起きないけど大事なおはなしをしている、そんな二人のおはなしです。たぶん、2023年最高の会話劇、です。こまばアゴラ劇場でお待ちしています!

(制作 加藤)

コココーララボ『コココーラ』公演詳細

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